編集の目的
日本文化ストーリーズは、日本の文化的主題を、長文の記事としてゆっくり読むための編集誌です。伝統芸能、美術、文学、工芸、食文化、そして日々の暮らし――これらは古典としてのみ扱われるのではなく、現在も動き続けている現象として記述されるべきだと考えます。
本誌は、時間をかけて編集された記事を通じて、読者が自分の文化的背景を知的に読み直すための手がかりを提供することを目指しています。ニュースや速報、観光向けの案内書とは異なる角度から、一つ一つのテーマと向き合います。
編集の三原則
記事を書き、編集するにあたって、以下の三つを軸にしています。
一、一次資料への信頼
記事で引用される事実・年代・制度は、可能なかぎり一次資料、または研究機関・報道機関の一次発表に立ち戻って確認します。伝聞や孫引きは最小限にとどめ、確認できなかった情報は「確認できない」と明記します。
二、分析と反論の併記
一つの記事のなかに、主たる解釈だけでなく、それに対する反論・別解釈を必ず含めます。伝統文化の世界は見解の分岐が豊かに存在する領域であり、単一の物語に還元することは、文化の記述として不正確だと考えます。
三、長い時間軸
文化は数年の流行ではなく、数十年から数百年の時間をかけて変化します。本誌の記事は、対象を現在の断面だけで記述せず、背景にある長い時間の流れを意識して書かれています。
編集のワークフロー
一つの記事が公開されるまで、以下の六段階を経ています。
- 主題の選定――取り扱う主題を、カテゴリ全体のバランスと、一次資料の利用可能性から判断して選びます。
- 資料の収集――文化庁、国立歴史民俗博物館、UNESCOなどの公的機関資料、学術書、実在する報道機関の記事を集めます。
- 構成の設計――TL;DR、本文三~五章、反論、分析的閉じという基本構成を、主題に合わせて具体化します。
- 執筆――事実と解釈を区別して記述し、情報源を本文中に明示します。
- 検証と校正――固有名詞、年代、制度名、参照URLを再確認します。
- 公開後の補遺――誤りが見つかった場合は、該当箇所を修正し、更新履歴を明記します。
本誌がしないこと
編集方針上、以下の三つは行いません。
- プレスリリースの再掲は行いません。観光誘致やメーカーの広報文を記事として転載することは、編集の仕事ではないと考えます。
- ノスタルジア商品として文化を売ることはしません。「失われゆく日本」「美しい日本」といった感情的マーケティングではなく、現在進行形の現象としての文化を記述します。
- 個人的な評論・感想ブログにはしません。執筆者の個人的な体験や主観的評価を前面に出すよりも、対象を照らす具体的な事実と引用を優先します。
発行主体について
本誌は「日本文化ストーリーズ編集部」というブランド名義の編集団体によって運営されています。個別の執筆者・編集者の氏名は原則として公開せず、チームとしての編集責任のもとで記事を出しています。取材・寄稿・転載に関するお問い合わせは、お問い合わせページよりご連絡ください。